家庭療法・医学―腎臓

透析で使う漢方薬―患者のQOL向上のために: 和田 健太朗 飯野靖彦 山田博一: 本

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透析で使う漢方薬―患者のQOL向上のために

透析で使う漢方薬―患者のQOL向上のために

内容紹介

透析患者の合併症対策は関わる医師すべての悩みである.本書では,透析患者のQOL向上を図る漢方薬の使い方を解説する.西洋医学の薬物療法では十分な効果がない場合でも,東洋医学の考えで対応すれば効果的なことも多い.普段,東洋医学の敷居が高い一般ドクターに格好の入門書.
また,透析に限らず,漢方薬の基礎を知りたい読者の要求にも十分応えうる内容である.漢方理論の基礎知識,基礎処方,構成生薬,さらに漢方医学独自の用語解説まで収載したしっかりした入門書でもある.

レビュー

本書の特徴より
本書は日夜、透析医療に従事している医師、看護師、臨床工学技師、その他一般の臨床研修医の方々を対象に執筆しています。漢方に関する知識をほとんど持たない方を対象にしていますので、ある程度漢方を勉強している方にとっては回りくどいと思われる表現があるかもしれません。しかし、私なりに漢方を勉強してきて、理解するのに時間がかかり、躓いたと思われるところに関しては、それが理解の妨げや時間の浪費になることを避けるべく、繰り返し説明するように心がけました。
本書では、まず漢方医学の歴史、概念、診察方法などの解説を基本とし、その上で実践編として具体的な処方例の解説、代表的な漢方方剤とその解説、代表的な生薬の解説をしていきます。現在は漢方医学でもEBM (Evidence-based Medicine) が問われる時代になってきていることも踏まえ、誌面の許す限り漢方医学のエビデンスに関連した文献も掲載するよう努めました。最後に、漢方独特の言い回し(表現)に関しては、本書を読み進めている読者の方々にとって、途中で分からない表現が出てきても極力躓かないようにとの思いを込めて、すばやく検索できるように、五十音順で簡明に述べてあるので是非活用してください。

著者について

和田 健太朗 (わだ けんたろう)
日本鋼管福山病院内科(腎臓専門部長・透析センター長)
〔略歴〕
1972年 広島県生まれ
1997年 日本医科大学卒業・第二内科入局
2005年 日本医科大学大学院医学研究科博士課程終了(医学博士)
2005年 社会保険中央総合病院腎臓内科
2008年 日本鋼管福山病院内科(腎臓専門部長・透析センター長)現在に至る

資格:日本東洋医学会(認定漢方専門医)
日本内科学会(認定内科専門医、認定内科医)
日本腎臓学会(認定腎臓専門医)
日本透析医学会(認定専門医)
日本老年医学会(認定老年病専門医)
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医

主な著書:トラブル・アクシデント対応実践透析ガイド(中山書店・2008年)
症例に学ぶ透析療法(中外医学社・2007年)
水・電解質がわかる 輸液ケアQ&A(中山書店・2006年)
臨床検査診断マニュアル初版・第二版(永井書店・2001年、2005年)など

目次

1. 漢方の基本知識について
漢方医学とその歴史について簡単に教えてください
漢方はどのように勉強すればいいのですか?
漢方初心者が漢方薬を処方する際に注意すべきポイントとは?
漢方初心者が漢方処方を始めるときに
適切な漢方薬にはどのようなものがありますか?
漢方医学の理論について教えてください
(1)証/(2)陰陽/(3)六病位(太陽病、少陽病、陽明病、太陰病、少陰病、厥陰病)/(4)虚実/(5)表裏/(6)寒熱/(7)気血水/(8)四診/(9)五行・五臓
漢方医学とEBMについて教えて下さい
2. 透析患者に対する漢方薬の実際
I. プライマリ・ケアにおける漢方の基本処方
1葛根湯/2麻黄湯/3桂枝湯/4小青竜湯/5小柴胡湯/6麻黄附子細辛湯/7麦門冬湯/8補中益気湯/9十全大補湯/10六君子湯/11大建中湯/12芍薬甘草湯/13半夏瀉心
湯/14半夏厚朴湯/15牛車腎気丸/16八味地黄丸/17五苓散/18釣藤散/19大黄甘草湯/20桂枝茯苓丸/21加味逍遥散/22当帰芍薬散/23抑肝散
透析療法における漢方薬
II. 各種疾患・症状に応じた漢方処方
体力低下、全身倦怠感/呼吸器疾患症状/神経・筋症状/精神疾患・症状/循環器疾患症状/消化器疾患・症状/内分泌疾患/腎尿路疾患/皮膚症状/末梢循環不全・冷え症
(冷感)/貧血/透析に関連した骨関節症
3. 透析患者に対するその他の相補・代替医療の現状とその可能性
4. 代表的な漢方薬とその構成成分
5. 生薬の解説
6. 漢方独自の用語の解説
索引